サッカーファンでなくとも、スペインリーグの2強である、レアルマドリードとバルセロナの名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。もともと、資金力があるレアルマドリードは、世界中からスター選手と言われる人材を高額な年俸提示によって獲得してきました。一方で、バルセロナは2軍と言われる下部組織の中で、才能のある選手をじっくり育ててトップチームに昇格させるという手法を長くとってきたのです。バルセロナの下部組織出身で、いまや世界的に有名な一流プレーヤーと言われるリオネル・メッシやアンドレス・イニエスタがその代表とも言えるでしょう。バルセロナの育成力は世界屈指と言われるほどになりました。
ところが、そんな育成クラブといわれるバルセロナが、近年変わりつつあるのです。ネイマールやルイス・スアレスといった超有名選手を、高額な移籍金を支払って獲得しています。一流の選手をチームに招き入れることは、勝利への貢献やファンの獲得につながります。しかし、チームプレーであるサッカーという競技の性質もあり、もろ刃の剣である可能性も否定できないのです。
かつてレアルマドリードが「スター選手をかき集めているだけでチーム強化に一貫性がない」とこき下ろされたように、バルセロナも統率力に疑問を持つファンも少なくないからです。下部組織で大切に育ててきた選手たちは、お互いのことを尊敬して分かり合っています。お金で買われたスター選手が上手くなじむかどうかは、実際にチームとしてやってみないとわからないでしょう。育成と補強に悩むバルセロナのチーム事情は深刻だと言われているのです。